【2014年2月号掲載】
シリーズ第40回 気をつけたい、冬の健康管理
冬場の心臓疾患と先端医療
冬に起きやすいという心臓疾患。
今回は、ハイブリッド手術室を整備する札幌医科大学の先生方に、
心臓疾患の原因や予防、最先端の手術などを取材しました。
冬に発症しやすい心臓疾患
札幌医科大学の土橋和文医師(循環器内科)は
「世界各国いずれも、北国ほど
心臓疾患とその死亡率が高くなっています。
漬物など塩分の多い保存食を食べる、
運動不足による肥満などの要因がありますが、
特に大きく影響しているのが気温なのです」と説明します。
人は急激な温度の変化にさらされると、体温を一定に保つため、
体内の血管を急激に伸縮させて血圧や脈拍の変動を起こします。
特に冬は、他の季節と比べ10~20%ほど血圧が高くなります。
それが心臓の負担を増やし心筋梗塞などを起こしやすくなるのです。
また、発症しやすい時間帯にも要注意です。
「朝起きてから体が徐々に活動を始め、1~2時間ほど経緯した…
ちょうど朝8時ころが1回目のピークを迎えます。
2回目は1日の疲れがたまる20時ころです」(土橋医師)。
土橋医師によると、特に注意したいのは朝の雪かき。
急に寒い中で体を動かす行為は負担が大きく、
危険度が増すといいます。
右項に挙げたのは、雪かき時に倒れないための予防策です。
雪かきの際にはこれらを行った上で、体の負担を軽減させましょう。
負担の少ない心臓手術の実現へ
平均寿命が延びたことで増えた心臓疾患もあります。
札幌医科大学の橘一俊医師(心臓血管外科)によると、
近年増えてきた心臓外科手術は大動脈弁狭窄症だそうです。
これは心臓弁膜症の一種で、加齢により
心臓の血管や弁が固くなり石灰化して起こります。
札幌医科大学附属病院でも、74~75歳くらいの
患者さんの手術件数が最も多いと言います。
橘医師は「高齢で手術に耐えられない患者さんのため、
カテーテルを使った新しい手術を導入する予定です。
通常4~5時間かかる手術が1~2時間、しかも胸を切らないで済むので
患者さんの負担も軽減されます」と説明します。
札医大では2013年3月に「ハイブリッド手術室」を整備。
この手術室では手術・治療をしながら、複雑な心臓の血管などを
高解像度の画像で見られるため、より先進的で安全性の高い
手術を行えるようになりました。
今後の新たな可能性が期待できそうです。
【取材協力】
札幌医科大学附属病院 土橋 和文先生・ 橘 一俊先生
札幌医科大学附属病院ホームページ(http://web.sapmed.ac.jp/hospital/)
シニアのための法律相談所
【第40回】
贈与や遺贈の場合は「特別受益」に注意して下さい。
生前贈与や遺贈を行う場合には、特別受益に注意が必要です。
これは、相続人が遺贈や住宅取得等のために贈与を受けた場合、
相続時の財産額にその贈与の額を加えたものを相続財産とみなし、
相続分を算定する制度です。
例えば、相続人が子供ABの2人で、相続時の財産が5千万円あり、
Aが1千万円の贈与を受けていたとします。
この場合、贈与を受けた分を相続財産に加えた6千万円を
相続財産とみなして遺産分割の計算をします。
子供2人なので、各自3千万円となりますが、
Aは既に1千万円贈与を受けているので2千万円を相続し、
Bは3千万円を相続することになり、
ある意味では公平性が担保されます。
なお特別受益扱いとしたくない場合は、
これを文書等で明らかにしておけば大丈夫です。
ただし遺留分に反した場合は、その限度で効力がありません。
先ほどの例では遺留分に反していませんので、
贈与を特別受益としないことを示しておくと、
この贈与は特別受益とならず、5千万円を相続財産として分割し
ABは各自2,500万円を相続することになります。
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弁護士法人 小寺・松田法律事務所
代表 小寺 正史さん
1980年から札幌で弁護士活動を開始。
常に依頼人の気持ちに寄り添って、
解決の糸口を見出すよう努めています。
事務所は札幌・岩見沢・滝川・苫小牧に
あります。