【2013年1月号掲載】
シリーズ第27回 シニアのための健康法
カラオケで、心と体の健康づくり
歌うことは、とても身近な健康法です。歌うこと、お友達とカラオケに行くことは、
健康にどのような関係があるのか、音楽療法士の武田克江先生にお話を伺いました。
歌う健康法
最近は、「昼カラ」が注目され、お昼に安い料金でカラオケに行くことが人気です。
歌うことは、意識すればすぐできることですので、どなたにとっても身近なことですが、
歌で健康になる、ということを考えたことはありますか。
一番わかりやすいことは、好きな歌を歌うと、
心地よくすっきりとした気分になり、ストレス発散につながることです。
しかし、歌うことの効果はそれだけではありません。
武田先生はこうおっしゃいます。
「うまく歌うために欠かせない腹式呼吸は、
歩行に使う筋力としても重要な、腹筋、背筋も鍛えることができます。
また、歌うことによって血流が良くなるため、
血の巡りが悪くなりやすい足先などの冷えを抑えることが期待できるのです。
歌は、心と体の健康につながる、どなたにでも身近な健康法ですね」。
歌で感情を揺さぶる
音楽療法学会では、歌うことによる脳の活性化や、
認知症の予防にもつながるという研究結果が出ているそうです。
「例えば昔の歌を歌うと、その歌を聴いた当時のことを思い出し、
普段は思い出さない記憶を刺激します。
思い出が蘇れば、気分も向上してきますね。
また、時には歌いながら昔を思い出して泣くこともストレス発散につながります。
このように、歌って自分の感情を揺さぶるということは、
普段の生活では得られない刺激を与えることになり、心身の健康につながるのですよ」。
〈取材協力〉
音楽療法士(日本音楽療法学会認定)
武田 克江 先生
保育士、幼稚園教諭、リトミック指導員として活躍。
現在は在宅の高齢者に対して音楽療法を行う傍ら、
講演活動や、北翔大学短期大学部等の
保育士養成校での非常勤講師を務める。
カラオケの効用
一人で歌を口ずさむのと、カラオケに行って歌うことは、
具体的にどのような効果の違いがあるのでしょうか。
「まず、人前で歌うことの緊張感と、その後のリラックスのバランスが、
自律神経に良い影響を与えます。
また、古い歌だけでなく、新しい歌に挑戦することは、
耳を使いメロディを聴き、目で歌詞を見て、自分の口から音を出すという複合的な作業になりますので、
脳への大きな刺激となります。
あとは、歌うことが苦手な方もいらっしゃいますが、
実は人の歌を聴くだけでも、脳はリズムを感じていますので、心身に影響があるのですよ」。
このように、歌うことは心と体の健康に、さまざまな関係があるようです。
何より、歌うこと自体を楽しめるようになれば、心の豊かさにもつながるのではないでしょうか。
外へ出る機会が減ってしまいがちなこの季節、外へ出かけることだけでも気持ちが明るくなり、
大きな変化が生まれます。カラオケを、そのきっかけのひとつにしてみてはいかがでしょう。
シニアのための法律相談所
【第27回】
音のマナーを守って、快適なご近所づきあい
近隣のピアノによる騒音のトラブルや、
飛行場の騒音規制による夜間飛行禁止などはよく耳にするのではないでしょうか。
音の大きさはデシベル(dB)という単位で表わされますが、
図書館などとても静かな空間で40dB、普通の会話で60dB。
この20dBの違いはなんと10倍の大きさの違いになって感じられます。
ピアノの前1mは80dBですが、防音装置等、遮音の配慮をすれば、
隣家に到達する音は低減します。
環境庁では騒音に関する基準として、
住宅地では昼間は55dB以下、夜間は45dB以下と定めています。
しかし実際には、この基準どおりにすることは困難で、
お互いに我慢しなければならないのが実情です。
このように我慢すべき範囲を法律上「受忍限度」と言います。
「受忍限度」を超えた騒音に対して、
裁判所は一定程度以上の音が隣家に伝わらないように命じたり、
損害があれば損害賠償の支払いを命じることができます。
なお、音の問題は睡眠障害などの被害をもたらし深刻な場合もあります。
隣近所のことで訴訟までには、というときは簡易裁判所に調停を申し立てる方法もあります。
ぜひ弁護士にご相談ください。
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弁護士法人 小寺・松田法律事務所
代表 小寺 正史さん
1980年から札幌で弁護士活動を開始。
現在は弁護士10人以上を擁し、各分野に幅広く弁護活動を展開。
事務所も札幌に加えて、岩見沢・滝川・苫小牧の3拠点に開設しています。