【2013年4月号掲載】
シリーズ第30回 足をサポートする健康法
足の痛みは、体の中枢から予防する
暖かくなり、外出が楽しくなる季節がやってきます。
しかし足に痛みがあると、気持ちも外には向きません。
痛みの原因を理解し、正しい予防、リハビリをしましょう。
足をサポートする体幹と骨盤
足は、体の中で唯一地面に接し、体重を受ける部分です。
体重がかかると、足のアーチのクッション機能がエネルギーをうまく吸収します。
しかし足裏の筋力が衰えたり、偏平足や、凹足(ハイアーチ)などの症状が起こると、
体重の負担をうまく分散できず、足アーチの炎症などが起こります。
このような足のトラブルを防いだり、リハビリを考えるとき、重要なことは何でしょうか。
札幌医科大学の内山英一先生にお聞きしました。
「足の負担の軽減を考えるときには、
靴のインソールやウォーキングシューズなどで
足の機能をサポートすることが大切です。
しかし、予防の観点を含め、根本から考えた場合、
体の中枢である体幹と骨盤が重要です。
手や足など、体の末梢部分を動かすときには、
体幹や骨盤が支えとなり、連動して動いています。
つまり、体の支えとなっている体幹の筋肉を鍛え、
さらに体幹を支える骨盤を安定させなければ、手や足への負担が大きくなってしまうのです。
したがって、足のトラブルが起こったときに、
足だけの治療を考えても、根本の解決にはなりません。
スポーツ選手が、体幹・骨盤のトレーニングを重視するのも、
このような人体の仕組みがあるからです。
また、すべての生活の動作も、体幹と骨盤が体の基礎となって動いています。
特に女性は体幹の筋力が弱く、手足などの末梢部分へ
ストレスが多くかかってしまう傾向がありますが、
体幹、骨盤を安定させることによって、腱鞘炎、肩こり、腰痛などの症状も良くなりますし、
姿勢や内臓機能も改善され、呼吸も楽になりますよ」。
体の中枢の鍛え方
「体の中枢を鍛えて安定させる方法ですが、
自転車をこぐと、腰を支えると同時に
股関節を曲げる腸腰筋(ちょうようきん)という筋肉が鍛えられます。
歩いているときは、股関節をほとんど使っていません。
ジョギングをすると多少は使いますが、おすすめは自転車ですね。
また、筋肉は動かさないと衰えるので、
日常生活をリハビリと考えることです。
普段の生活をするだけでも、筋肉は使います。
移動に自転車を取り入れるなど、ちょっとした工夫で、
無意識にリハビリをすることが良いと思います。
そうしないと続かないですからね」。
〈取材協力〉
札幌医科大学
保健医療学部
内山 英一 教授
(専門:整形外科)
シニアのための法律相談所
【第30回】
無償の好意か、有償の行為か。
Aは隣のBが庭に芝を張ると聞き、自宅でも張りたいと思いました。
Aは高齢で自分では無理なので、Bにお願いしたところ、
Bは快諾し、芝や肥料をホームセンターで購入。
一日がかりでAとBの芝を張りました。
このような場合、BはAに対し肥料や芝の実費の請求はできますが、
報酬の請求はできません。
業者でない場合は無償が原則であり、
事前に報酬の約束をしていない限り、
報酬の請求はできないからです。
なお、Bの芝の張り方が悪く、A宅の芝もB宅の芝も枯れた場合、
一般的にはAはBに対し損害賠償を求めることはできません。
B宅の芝も枯れているので、BはA宅の芝張もB宅と同様に
注意を払って行ったと考えられ、注意義務違反とはならず
損害賠償義務を負わないからです。
仮にAが造園業者Cに芝張を依頼した場合には、
Aは事業者であるCに相当な報酬を支払わなければなりません。
もし、この芝が枯れた場合には、
造園業者として相当な注意を払っていない限り、責任を免れず、
やり直しあるいは損害賠償などの義務が生じます。
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弁護士法人 小寺・松田法律事務所
代表 小寺 正史さん
1980年から札幌で弁護士活動を開始。
現在は弁護士10人以上を擁し、
各分野に幅広く弁護活動を展開。
事務所も札幌に加えて、岩見沢・滝川・苫小牧の
3拠点に開設しています。