【2013年10月号掲載】
シリーズ第36回 シニア世代に向けた観光サービス
旅を、あきらめないで
「昔のようには歩けないから」と、旅行をあきらめていませんか?
今回は、「介護タクシーを利用した観光事情」について伺ってきました。
広がりを見せるサービス
「介護タクシー」の利用者が増えています。
ハイヤー協会などの調べによると、
近年は大手の介護タクシー事業者よりは、
小さくても介護保険適用外の細やかなサービスに対応する
介護タクシーが増えているとのことです。
介護保険の適用範囲内では
送迎等の日常的なサービスしか受けることができませんが、
介護タクシーの保険適用外サービスを上手に使うと、
ふだんなかなか行けずにいる市内のスポットや近郊の紅葉鑑賞など、
「たいへんだな」と思っていた旅の可能性が広がります。
季節を感じる観光が人気
札幌市中央区にある介護タクシー会社「アップルケアさっぽろ」では、
車イスの方や歩行が困難な方でも旅行を楽しめるよう、
介護タクシーを利用した観光サービスを行っています。
アップルケアの杉本さんは観光業界出身の方。
お客様の旅をトータルプランニングしています。
「人気は、お花見や紅葉などの季節の観光で、
自分の生まれ故郷を見に行きたいという希望も多い」とのこと。
また、このような観光サービスを利用する上で一番大切なのは、
「疲れないように無理はしないこと」。
そのためアップルケアでは、
「車で片道2時間以下の距離を目安に観光コースを提案しています」。と
話してくれました。
不可能だと決めつけないで
「出来ないことはない、あきらめないで」と杉本さんは言います。
可能かどうかを考えるのではなく、
やりたいことを専門家に伝えることが、
満足のいく旅行にするためのポイントです。
看護師に同乗してもらう方法も可能です(別途料金が必要)。
不可能だと決めつけずに、やりたいことを実現させましょう。
昔のようには歩けなくても、
旭川・小樽などの近郊都市への観光やお花見など、
できることはたくさんあります。
シニアのための法律相談所
【第36回】
「振り込め詐欺」の救済法があります。
「振り込め詐欺」については、マスコミ報道などで、その手口が紹介されています。
送金前に、家族に従来の電話番号などで確認すれば、簡単に被害は防げます。
しかし、未だに被害が多発しているのは詐欺師が巧妙なことによります。
被害にあったら「振り込め詐欺救済法」の活用をお勧めします。
これは、
①被害者が警察と振込み先の銀行に被害を届け、
②銀行は振込み先の預金口座を凍結し
詐欺師が預金を引き出せないようにする、
③預金保険機構は口座名義人の権利を消滅させる公告をし、
権利消滅の場合には分配金支払いの公告をする、
④銀行は被害者からの支払い申請を受理する、
⑤銀行は被害者に分配金を支払う…という制度です。
④の支払い申請は、だまされて送金した人の全てができます。
複数の人がその口座に振り込んでいれば、
その被害額に応じて分配されます。
この制度を活かすため、被害に気がついたら
一刻も早く警察や銀行に連絡することが重要です。
なお、不安であれば弁護士にご相談下さい。
被害を家族に知られたくない場合は、その点も配慮して対応します。
《弁護士法人 小寺・松田法律事務所へのお問合せ》
TEL.011-281-5011 http://www.kmlaw.jp
私がお答えします!
弁護士法人 小寺・松田法律事務所
代表 小寺 正史さん
1980年から札幌で弁護士活動を開始。
現在は弁護士10人以上を擁し、
各分野に幅広く弁護活動を展開。
事務所も札幌に加えて、岩見沢・滝川・苫小牧の
3拠点に開設しています。