さっぽろ圏逸品発掘プロジェクト

江別市 Chez Kino(シェ・キノ)

江別キッシュ

江別の旬をフワフワ生地に閉じ込めて

キッシュ
12月の取材時は、長イモを使っていた「江別キッシュ」650円(税込)。さっとゆでた江別産長イモのシャキシャキの歯応えを味わう。

江別市見晴台の住宅街にある「シェ・キノ」は、江別育ちのオーナーシェフ、木下淳さんが平成17年に始めたフレンチレストラン。ここの名物として知られるのが「江別キッシュ」だ。

その名の通り、江別産の牛乳と卵をベースに、季節ごとに江別で採れる旬の素材を使う。夏はミニトマトとズッキーニ、晩夏には塩ゆでした落花生、冬は豆類、といった具合だ。

このキッシュの「フワフワ」とも「ふるふる」とも言える軽い食感の秘密は、サイズと作り方にある。ここで使うタルト形は、通常のキッシュに使われるものよりだいぶ深いもの。ケーキのように厚みのあるキッシュが焼ける反面、中まで火が通りにくいため、通常の手順にひと手間加え、空焼きしたパイ生地に、鍋で半熟になるまで熱を通した卵液を流し、オーブンで焼き上げる手法を取る。

このキッシュは、ランチ・ディナー共コースに組み込まれているが、単品での注文やテイクアウトもできる。

もともとフランス北東部のロレーヌ地方に起源を持つキッシュ。生クリームと卵、ベーコンを基本の素材として、フランス全土にレシピが広がる過程でその土地ごとの特産物が加わり、あちこちに地方色豊かなキッシュが生まれたという。そして、江別には江別のキッシュがある。江別の素材が持つ可能性をフルに生かして、これからも木下さんのキッシュのレパートリーは広がっていくのだろう。

キッシュ
カジュアルな雰囲気の店内。ランチタイムは「プチランチ」1,500円(税込)~4種類、ディナーは「シェ・キノ ディナー」3,800円(税込)~3種類のコースを選べる。
キッシュ
オーナーシェフの木下淳さん。ディナータイムに向けて、後ろのオーブンではキッシュの生地が香ばしい香りを放っていた。
キッシュ
なんと小上がりもある。ディナータイムは1組のみの貸切となるので、子ども連れでも落ち着いて料理が楽しめる。料理の質は高く敷居は低く、これぞ地元フレンチ。
Chez Kino(シェ・キノ)
住所 江別市見晴台71-2
TEL 011-381-3589
営業時間 11:30∼14:00、17:30∼21:00(予約制、受付16:00まで)
定休日 火曜
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