さっぽろ圏逸品発掘プロジェクト

札幌市 JAさっぽろ

札幌黄

地元愛に守られてきた「幻の玉ねぎ」

札幌黄
病気に弱いことに加え、形が不揃いのものが多いこと、またF1種など他の玉ねぎと比べ日持ちしないことから、生産量が少なく、なかなか市場に流通していない。しかし、味が濃く、加熱調理をすると辛味が消えてとても甘くなるその特徴的な味と、入手のしにくさが相まって「幻のたまねぎ」とも言われ、根強いファンが多い。

生食では肉厚で柔らかい食感、火を通すと元来の糖度の高さから引き出される甘みが味わえる札幌黄。一説では明治10年に「青年よ、大志を抱け」で有名なクラーク博士の後任として札幌農学校に着任したウィリアム・P・ブルックス博士が持ってきた「イエロー・グローブ・ダンバース」がその原種と言われている。

明治に誕生して以降、昭和時代には道内のほとんどの産地で札幌黄とその系統の品種が栽培されるほどの絶頂期を経験。しかし、その後貯蔵性や玉の大きさ、収量性に富む後発のF1(交配)種に押され、生産量が激減し、「幻のたまねぎ」と称されるほどに。

そんな中、「生産性が悪くても本当においしいものを作り続けたい」という思いを持った地元農家や関係者によって細々と作られ続けてきたが、近年の「地産地消」運動などもあり、再び脚光を浴びるように。日本における玉ねぎ栽培発祥の地である札幌で生まれ、生産者たちの愛情で守られ、育まれてきた逸品なのだ。

札幌黄の流通時期は限られており、例年9月上旬に収穫を迎え、9月下旬頃~2月頃まで市内の一部のスーパーで販売されているほか、レストランでも提供されている。

鹿のたたき
鹿のたたきと札幌黄「菜食健美」1,200円(税抜)。丸ごとオーブンでロースト、ソテーしたソース、生でのスライス、揚げたものと、札幌黄を4種類の食べ方で一度に楽しめる。低脂肪、高タンパクで鉄分豊富な鹿肉と合わせることで、女性の美と健康にうれしい一皿。※2日前まで(週末を挟む場合は3日前まで)に要予約。札幌黄の入荷状況によっては提供できない場合があります。
レストラン黒島
住所 札幌市中央区南4条西2丁目レコルト札幌地下1階
TEL 011-530-9640
営業時間 18:00∼23:00(ラストオーダー)
定休日 日曜、祝日
スープ
JAさっぽろがプロデュースする「さっぽろ黄たまねぎスープ」。たっぷりと使った札幌黄の豊かな甘みを生かすために、シンプルなコンソメ仕立てになっている。心がほっこりと温まるような、優しい味わいだ。
札幌市農業協同組合
住所 札幌市中央区北10条西24丁目1-10
TEL 011-621-1346
カレー
札幌市東区・中央区・手稲区に店舗を構えるカレー専門店、ブルックスカレーのオリジナル商品が、丸ごと札幌黄をじっくり煮込んだ「まるごと札幌黄のコンポート」。甘みとうまみ、素材の持つ力をダイレクトに感じられる。500円(税込)。
ブルックスカレー
住所 札幌市東区伏古8条3丁目1-25マサミツビル1階
TEL 011-785-5766
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