札幌市豊平区にある、インタークロス・クリエイティブ・センター(通称ICC)は、正式名称を札幌デジタル創造プラザといいます。ここは札幌市経済局が2001年に創設したクリエイターのための施設です。現在ここには写真家、デザイナー、映像作家など24組が入居しています。形態も個人やグループ、企業など様々。入居には審査が必要で、入居期間は3年間と定められていますが、手頃な家賃でオフィスを借りられる上、コピー機やプリンタなどの機材、ネット専用回線、商談・会議室、カフェテリアなどが利用できます。
しかし、ここは単なる賃貸オフィスではありません。インターネットを活用し、異業種と交流を深め、セミナー等を開催するなどの行動で、ビジネスの可能性を狙います。
ICCは国内外でも珍しいデザイナーや映像作家にビジネスチャンスを与えるための施設なのです。起業支援ではよく見られる支援事業ですが、デザインなどクリエイト関連での支援は、全国でも初の取り組みでした。
後に東京や富山、静岡にも同様の施設が登場しましたが、創設に際しては札幌を視察し、参考にしたところもあったそうです。
例えば写真家の場合、ただ作品を売るだけでなく、インターネットや映像等で使える場を増やし、使用される度に作者に一定の著作権料が入るようにすれば、ビジネスとして活用できます。現在、世界7大陸最高峰の単独無酸素登頂に挑戦中の登山家・栗城史多さんもICCに入居しています。彼は登山で撮影した山岳の写真や映像をビジネスに活用し、登山資金を捻出しているのです。このように様々なジャンルが交流し、新たなビジネスの可能性を創出するのが、ICCの狙いなのです。
ICCでは、一般の方が参加できる催しもサポートしています。その一つが、10月に開催される札幌国際短編映画祭です。今回は97ヵ国が参加し、約3,400本の作品が上映されます。日本の映画祭では珍しく作品の買い付けもできるため、世界各国の映画制作者やバイヤーが集まる、非常に活気に満ちた催しです。
「インターネットの発達で地方のハンデが少なくなった。札幌で成功例を作り、世にまだ出ていないアーティストを紹介し、地元発信のビジネスがより展開できればいいですね」(ICCチーフコーディネーター・久保俊哉さん)

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