小原商店のルーツは新潟県の中谷商店です。明治元年、新潟港(現在の新潟西港)は外国船が出入りできる港として開港し、流通拠点として栄えていました。当時の中谷商店は鉄砲弾薬輸入などを行っており、明治16年には札幌へ出店します。その中の一人に、小原商店の創立者・小原市松氏がいました。
札幌では洋品や雑貨、鉄砲火薬類の販売業を営み、花火も扱っていました。やがて輸送上の不便が生じたのを機に明治30年ごろから花火製造事業に着手。これが小原商店の基盤となります。当初は熟練職人を招いての製造業でしたが、小原市松氏の信条「花火に師匠なし」という提唱で、独自に改良を重ね「ヤマニ式花火」をという名称の花火を売り出します。
大正2年、小原商会を創業、「ヤマニ」は中谷商店と小原商店の屋号です。
小原商店は花火の製造から現場での打ち上げまで一貫して行っているのが特徴。そのため、細かい注文にもすぐに応じられるのが強みです。現在同社の花火師は16名で女性もいます。平均年齢は35歳。花火業界の中では若手が多い会社だそうです。
「夏は北海道内だけでも100ヵ所を回りますね」と話すのは、キャリア25年のベテランで取締役部長の不動光一さん。しかもここ10年ぐらいは、冬のイベントにも打ち上げ花火を依頼されることが多く、年間を通じての仕事が増えているそうです。
「お祭り会場では、同様に全道を回る露天商の方々と顔見知りになるんですよ。何回も顔を合わせるから『今日は景気よく打ち上げてよ!』なんて言われます」(不動さん)
打ち上げ花火も技術の進歩に伴い、色々なものが登場しています。例えば「型物」と呼ばれる花火は、ハートやスマイルマークなどの絵が出る仕掛け。函館ではイカの型物を打ち上げて喜ばれたそうです。予算に合わせて個人オーダーも可能。結婚式などで花火を打ち上げ、素敵な思い出作りを演出します。
最近は、小学校への出張授業にも参加。火薬を一切使わない線香花火の作り方を教えたところ、子どもたちが目を輝かせていたのが印象的だったそうです。この子供たちの中から、将来の花火師が生まれるかもしれませんね。
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